電力パケット伝送系におけるルータへのハーベスティングに関する検討

摘要

小容量の分散電源による電力を, 蓄電系及び負荷の間で要求に合わせて情報通信技術と統合して運用する, 電力のパケット化とルーティングに関する技術が提案され, 検証が進められている(1). 電力パケットによるエネルギー伝送の概念は1990 年代に提案された(2) (3). この提案は, 電力パケットの流通管理に必要な情報を, 情報ネットワークを通して電力パケットに仮想的に付帯させ, その付帯情報に基づいて電力ルータが電力パケットを負荷へ伝送するというものであった. 筆者らのグループはこのコンセプトを発展させ, 電力の伝送に必要な情報を, 電圧波形に物理的に直接付与する電力のパケット化を実現すると共に, その流通を管理するシステム設計の研究開発を進めている(1) (4)～(7).以上の開発において提案されるシステムは, ワイドバンドギャップ半導体の優位な特性が十分に発揮されるものとなる可能性が高く, 単なるICT 利用, 従来のパワーデバイスの置き換えでは見出だせない応用分野となることが期待されている.