アンダーサンプリングを用いた無線通信評価システムにおける非同期復調に関する一検討

摘要

本稿ではQPSK変調におけるアンダーサンプリングを用い た無線通信評価システムについて非同期復調したときのシ ミュレーション結果を示した。搬送波周波数と局部発振器の 発振周波数の差によってIとQに含まれる周波数ドリフト は，IとQから位相を計算しその傾きから容易に求めること ができるが，アンダーサンプリングをした場合，測定のたび にシンボルが変化することでIとQの位相が変化しIとQの 連続した波形が得られないので位相の傾きを求めることが 難しくなっている。そこで，IとQの位相の変化がシンボル の変化によるものであることに注目して，IとQの位相を4 倍することで位相の変化を周波数ドリフトのみにした。しか し，実際にはシンボルは瞬時に変化しないので過渡状態が含まれる。これによりIとQから求めた位相に雑音が含まれる ので周波数ドリブトの計算とIとQの補正を繰り返して行う ことで正確な周波数ドリフトを推定した。推定した周波数ド リフトの値から補正されたIとQを用いて，アイパターンとコンスタレーションの描画，EVMの計算を行い，同期復調で得られた結果と比較し，同様の結果が得られていることを示 した。これにより，周波数ドリフトを含む非同期復調であっ ても周波数ドリフトを補正することで同期復調と同様の結果が得られることを示した。