駆動電極可動型MEMS静電可変形状ミラーの数理解析モデルの構築

摘要

眼底の血管は，人間の体内で唯一血管を直接観察できる部位であり，また，眼底は視神経によって脳に繋がっているため，眼底の血管を観察することで網膜剥離や眼底出血，緑内障などの目の病気を発見できるだけでなく，動脈硬化，脳腫瘍，高血圧などの全身の疾患を推察することができる。このため，眼底検査は，眼科領域だけでなく内科等の他の診療科領域においても重要な検査となっている。しかし，眼底検査の検査光は，眼底に到達するまでに角膜•水晶体•硝子体等を通過し，これらの歪みやにごりによって波面収差を持ってしまう。また，眼球の歪みには個人差があり，さらに検査中の眼の状態に応じて変化するので，リアルタイムかつ精密に収差を補正する必要がある。