生活道路の自転車速度抑止とバリアフリーに関する考察

摘要

バリアフリーによる事業整備や日常の歩道整備によって、高齢者?障害者にとって移動しやすい環境整備は継続して行われている。一方で高齢者が関係する交通事故は増加しており、とくに自転車関係の事故やトラブルが急増し、交通安全対策は新たな政策が求められている。交通安全の手法はコミュニティゾーンやあhしh歩行エリアというエリア型·ゾーン型の環境整備が取られることが多く、ゾーン30(自動車の最高速度を30km/hに規制する区域設定)という手法が着目され、全国で整備が展開中である。これは生活で利用する道路の安全について考えた福祉のまちづくりの一環とも言える。ここ数年でゾーン30の指定エリアは全国各地で増えるものと推察され、対象となるエリアの道路については、歩車分離した道路、自転車走行空間、歩車共存道路およびバリアフリー法の移動円滑化基準では対象外となる歩道のない道路など多様である。これらの歩行空間に対しては、高齢者?障害者への配慮も重要であり、路面排水による横断勾配や視覚障害者の誘導などの構造的な課題に加え、交通参加者である歩行者·自転車·自動車との錯綜などにも課題が残る。