組成により10 GHzを超える共鳴周波数を呈するナノダラニユラー強磁性膜

摘要

複素透磁率のf_rが10 GHzを超えることが有望視された CoPd-CaF_2の組成系を有するナノグラニユラー膜におい て、CoPdとCaF_2との比率は一定とし、CoPd合金組成を 変化させた時のf_rの増加を調べた。その結果、CoPdとCaF_2との比率が平均で81.5:18.5の系では、CoPd合金における Pd含有量が27 at. %以上でf_rが10 GHzを超えることが実 証された。しかし、いずれも異方性分散が大きいために共 鳴は緩慢であったので、低損失でμ'を使用できる周波数は 未だ低いことは改善が必要である。しかし、5G通信の基本 波に対する高次高調波をμ"により除去するような用途にお いては、直ぐにでも使用できうると言えるであろう。