回転子に逆バイアス磁界印加用磁石を有する横方向磁束型SRモータ

摘要

以上，本稿では回転子に逆バイアス磁界印加用磁石を有するTFSRMについて，3次元有限要素法(3D-FEM)を用いて基礎的な検討を行った。一般的なSRMの動作領域は，磁化曲線の第1象限に限定されるが，本稿で提案したTFSRMは逆バイアス磁界印加用磁石の効果により，第3象限まで拡大される。これにより，実効的な飽和磁束密度が高くなるため，トルク特性が向上する。特に，磁気飽和の影響が表れる高負荷側で，その効果が大きいことが明らかとなった。また，トルク特性の向上に伴い，銅損が低減されることから，効率についても高負荷側で大きく改善することが明らかとなった。今後は，実機の試作と実証実験を行う予定である。