手押し車型移動支援機器の開発： 各種センサの調整と制御プログラムの検証

摘要

現在，日本では少子高齢化により今後は高齢者の割合が高くなる人口分布に推移していくと予想がされている.これにより介護の需要が増大していくことが予想される一 方，高齢者を介護する労働人口は減少していき負担は増大 していくことが予想されている.この問題を解決するため，平成24年厚生労働省は高齢者の介護予防を促す方針を決 定した.介護予防とは，要介護状態の発生を未然に防ぐこ と，要介護状態にあっても悪化を最小限にし，負担を軽減することである。本研究の目的は高齢者の介護予防を支援するためのマシンを開発することであり，その中でも高齢 者の歩行を支援する機能を持ったマシンを開発すること により高齢者の野外の移動を支援するものである.また， 今回開発するマシンは平成26年より経済産業省と厚生労 働省が推進している事業である「ロボット技術の介護利用 における重点利用」の項目のである移動支援機器（屋外 型）に必要とされる性能を満たす軽度の介護が必要な高齢 者の移動を捕助する手押し車型マシンの開発を目指す.