複雑な形状の吹出し口を有する室内気流のCFD解析に関する研究 (その11) 噴流理論を用いたァネモ型ディフューザー冷房設定時の吹出し気流モデルの作成と性能検証

摘要

複雑形状の空調吹出しロを有する室のCFD解析では詳細なメッシュ分割を要するため計算負荷が増大し、実用性に欠ける。そのため計算負荷の軽減を目的とした吹出しロのモデリングに関する様々な研究が行われており、その代表に吹出しロ周辺に設定した仮想境界面上に気流分布等の境界条件を規定して解析を行うBOX法やPV法がある。これらの手法を適用するには吹出し口周辺の詳細なデータが必要であり、岡巿らは測定により境界条件の作成を行い、澤田らはその測定結果を用いてCFD上で吹出し気流のモデル化を行った。これらのモデルでは、風量の変化や非等温吹出しに対応できる汎用性の高い吹出し気流データを整備する必要がある。前報では吹出し風量をパラメータとしたディフューザ一周辺気流測定を行った結果を報告し、噴流理論を用いてモデル式(以下、噴流式)を作成、CFDを用いてその性能について検証した。本報では壁面近傍の再現性について検討するため低Re数型k-ε乱流モデルを用いて詳細解析を行い、結果を境界条件としてモデル化手法に適用し再度噴流式の性能を検証する。