Cr(211)下地層上に形成したNi-Fe薄膜のFe/Ni組成と膜結晶構造

摘要

Ni,Fe,Ni-Fe合金は代表的な軟磁性材料で，安定結晶構造はfccもしくはbcc構造である.材料の結晶構造が異なると磁気特性も変化する.近年，バルク状態図には存在しない準安定な結晶構造を持つ磁性材料のデバイス応用が注目されている.これまで，Cr(211)やMgO(001)面上において，準安定hcp構造をもつNiおよびNi_(80)Fe_(20)(at.%)膜が形成されることが報告されているが,詳細な構造解析は殆ど行われていない.本研究では，Cr(211)下地層上にNi,Ni-Fe,Fe膜を形成し，膜厚およびFe/Ni組成が膜の結晶構造に及ぼす影響を系統的に調べた.