札内川における礫州へのケショウヤナギ実生の侵入と保全管理に関する検討

摘要

札内川（一級水系十勝川の一次支川）は，かつて複列流路と広い礫河原を有する河川であったが，2006～2010年の年最大流量の大幅な減少等が影響し，河道内が著しく樹林化した1),2)．これにより，流路は固定化し，礫河原の面積は急速に減少した．この状況を踏まえ，札内川では，礫河原の再生を目的として2012年（平成4年）より6月末に札内川ダムから最大放流量110～120m3/sのフラッシュ放流を実施すると共に，既に閉塞した旧流路のうち淵下流の河床勾配が急になる箇所の掘削を実践した．また，掘削により，樹木流亡を伴う流路変動の発生を促すことで，旧流路が維持されると共に，礫河原の再生にとっても効率的な方法であることを解析的にも示した3)．