横須賀製鉄所とフランス・ブレスト海軍工廠における煉瓦寸法の共通性について:横須賀製鉄所におけるフランス系建設技術の導入に関する研究（その２）

摘要

横須賀製鉄所製煉瓦については、『横須賀海軍船廠史』等に記載が確認される他、村松貞次郎によって早くから歴史的重要性が指摘されてきた。更に、秋本益利、安池尋幸によって煉瓦製造の記録を含む『堤真和家文書』 (製鉄所建設請負人幕府樋橋切組方棟梁蔵田清右衛門配下の代理人堤家伝来古文書)を用いての研究が進められ、煉瓦製造の実態がより詳細に明らかとなった。一方、煉瓦製造には横須賀製鉄所のフランス人が関与した事も知られている。本研究は、日仏の資料を元に、煉瓦の型枠寸法を例にとって、横須賀製鉄所における近代的建築技術の導入とその源流について考察するものである。