紫外線硬化型FRP を活用した既存木造住宅の無筋コンクリート基礎補強工法に関する研究:実大スケール試験体による検討

摘要

兵庫県南部地震をはじめ、大規模地震では古い木造住宅の被害が多く、1981年以前に建てられた既存木造住宅の割合が高い1)。また、築30年程度の木造住宅が建てられた当時は、基礎に対する規定が現在ほど厳しいものではなく、無筋コンクリート基礎が多く存在した。耐震改修によって、上部構造をいくら強固なものにしても上部構造と地盤をつなぐコンクリート基礎が強固でなければ、建築物の構造安全性が高いとは言えない。これらの理由から近年、住宅の無筋コンクリート基礎の補強工法に関する研究が精力的に行われている例えば2)-4)。本研究の目的は、既存木造住宅の無筋コンクリート基礎補強工法として、紫外線硬化型FRP（以降、FRPシート）を活用した、簡便で低コストの工法を開発することである。