有隣学区における各町内の地蔵盆の運営状況:京都市都心部における地蔵盆の役割に関する研究　その１

摘要

京都市都心部では、集合住宅の建設が相次ぎ、新規住民の流入が著しい状況にある。また、都心部では高齢化が進行し、町内や学区注１における活動や行事の継続が困難になりつつあり、若年世帯を含む新規住民は、地域における活動の担い手として期待される。しかし、ワンルームの集合住宅などに住まう新規住民は、あまり町内会活動に参加せず、住民同士の関係が希薄化し、地域にさまざまな影響を与えている。集合住宅の建設以前からの住民と新規住民が混在している状況下で、それまであった地域の慣習や文化を維持しつつ、新規住民を含めた新しい住民同士の関係を形成することが大きな課題となっている。