ベースプレートを省略した鉄筋内蔵コンクリート充填角形鋼管柱脚の力学的性状に関する実験的研究

摘要

筆者らは，内蔵鉄筋を利用するコンクリート充填鋼管(CFT)接合法の研究に取り組hでおり，柱脚や柱継手の基本的な力学的挙動を明らかにしてきた1), 2) ．従来の露出型柱脚を対象にした場合，柱とベースプレートを完全溶込溶接により接合しなければならないが，本構法を用いれば溶接が簡略化でき，場合によりベースプレート，アンカーボルトを省略でき溶接が不要となる．筆者らの一部は既に文献3)において，柱に円形鋼管を用いたベースプレート省略型の露出型柱脚の載荷実験を行い，その力学的挙動を明らかにするとともに耐力評価法を提案した．一方，柱に角形鋼管を用いた同種の柱脚については，特にコンクリート強度に及ぼす鋼管の拘束効果等の点で円形鋼管の場合とは異なる挙動を呈する可能性も考えられるため，実験により詳細な性状を把握する必要がある．