ランダム建物配置延焼シミュレーションによる建物間の延焼速度

摘要

市街地のもつ火災抑制性能を評価するための設計火源を構築するためには、市街地の延焼性状に関する知見を得ることが必要である。しかしながら、実火災で基礎的データを取得することはできず、市街地を忠実に再現した状況下での延焼シミュレーションの実施[1,2]には労力がかかるだけで一般性に乏しい結果しか得られない。そこで、指定された条件の基でランダムに建物が配置される仮想市街地を出力し、連続的に延焼シミュレーションを実行することで、当該市街地固有の延焼特性を求めるプログラムを開発した（以下、「ランダム建物配置延焼シミュレーション」）。本報告ではこのランダム建物配置延焼シミュレーションの妥当性を検討するために、実市街地を対象として計算を行った結果について議論する。