西陣地域における伝統産業の地域的集積の変容に関する考察

摘要

京都の西陣では、500年前の室町時代から織業が集積してきた。その西陣地域で生産される織物は、西陣織と呼ばれ、京都で生産される代表的な伝統産業品の一つとなっている。しかしながら、近年では着物需要の減少に伴って、西陣地域における織業も衰退し、地域的集積の変容が生じていると考えられる。地域的集積の変容の主な現象としては、①町割や宅地割の変容、②土地利用の用途変容、③街路網の変容、④建物高さの変容、⑤街並みの変容、⑥人口構成の変容等があげられる。このような地域的集積の変容について考え、西陣地域における適切なまちづくりの方針を検討することが必要である。