発電所建屋を対象とした夏季の温熱環境改善に関する研究その２ タービン建屋の温熱環境調査と熱換気回路網計算の解析結果

摘要

夏季の屋外の気温上昇の緩和対策として、微小粒径の水滴(ミスト)を噴霧し、蒸発潜熱を用いて気温を下降させる手法が採用されている。発電所建屋(タービン建屋)などの施設では、室内に蒸気タービン本体や熱交換器等の巨大な発熱機器が存在するため、作業環境の悪化や制御用の電子機器に対する影響が懸念される。また、今後の電力需要の変動や突発的な機器の不具合等により特に高温となる夏場に点検が行われることも考えられ、作業環境の改善が必要である。本報その２では、タービン建屋を対象とした実測調査を行い、温熱環境の実態を把握する。さらに熱換気回路網計算ソフト(TRNSYS-COMIS)を用いて、換気量・壁面温度の解析を行う。