ブレーンストーミングにおける発話の制限が創造性に与える影響

摘要

NEO特任教授／東京都市大学近年、知識社会への移行が進むに連れ、集団創造性への期待感が高まりつつある。企業や組織などの創造的課題遂行の場面において、広く用いられている手法のひとつにブレーンストーミング(以下、BS)がある。BSとは集団による拡散的アイデア発想法であり、集団を活用することでアイデアの量・質を高めるとされている。しかし、実のところBSの有効性を問う一連の研究結果は集団に対して一貫して否定的である[1]。BSに関する先行研究から、創造的課題遂行の場面において、相互作用に負の側面が存在することが明らかになっている。ディールらの研究において集団創造性を阻害する主な原因とされているのが、産出ブロッキング注1)である。そこで本研究では、集団創造性の発露に影響を及ぼす要因として、相互作用の程度に着目し、発話による相互作用が集団の創造性にどのように影響するかを示すことを目的とする。