中古マンション専有部分の全面リノベーション工事に関する研究（その２）:全面リノベーションに伴う解体工事の作業実態

摘要

前報に続き、本報では集合住宅専有部一戸を対象としたリノベーション工事における、解体工事の実態を調査し、専有部工事の特徴について報告する。表１で示すＫ邸と表２に示すＹ邸の各解体作業現場において、作業員の作業時間、作業内容、作業場所、解体部位を記録した。ビデオ及び写真の撮影を行い、作業員毎の調査シートを作成した。表３に解体作業工程を示す。Ｋ邸では解体、整理、運搬を繰り返し行った。解体材の保管場所が現場外に確保できたため、室内の解体材がある程度溜まるとエレベーターで保管場所に運搬され、二度に渡ってトラックでまとめて搬出された。Ｙ邸では解体、整理を繰り返した後に運搬された。解体材の保管場所がなかったため現場内に仮置き場を設け、適宜まとめた材を移動させながら解体し、作業終了時に階段昇降で直接トラックに運搬した。Y邸、Ｋ邸共に解体材は細かく分別分解され、解体業者にトラックで積替え・一時保管施設まで運ばれた。