入居2年半·3年半の集合住宅共用部における物の滲み出しの傾向: 震災復興計画のあり方に関する研究その9

摘要

斜面に道路を持たず階段状に戸建て住宅で密集していた玄界島は、2005年3月の福岡県西方沖地震により家屋の約半数が全壊した。3年という短期間で復興事業が行われ、街路に沿って戸建て住宅47戸と集合住宅115戸が新しく建てられ、多くの島民の住まいが、従前の戸建て住宅から集合住宅に変化したことになる。入居当初は、戸建て住宅より狭いこと、縁側や窓越しの会話もなくなり、インターフォンに不慣れなど、居住者は集合住宅での暮らしに戸惑いを感じていたようである。