1995年兵庫県南部地震で生き残ったRC造中層建物の耐震診断と地震応答解析による耐震性能評価

摘要

震災から十余年使われ続けたF医院の実被害を評価し耐震性能を検討した。2次診断より，特にY方向で構面外のRC壁によって耐震性能が大きく向上したことがわかった。これが，本建物が兵庫県南部地震を生き抜いた要因の1つである。多質点系解析では，X方向では層間変形角は3，4層で最も大きく　0.35％であった。層間変形角の分布は耐震性能残存率Rの分布と類似していることから，実被害を再現できた。