SPUMONE利用環境でのLock Holder Preemptionの回避方法の検討と実装

摘要

本研究では，preempt-enable()とpreempt-disable()に変更を加えることで，SPUMONE利用環境でのLHPを可能な限り回避し，Linuxの性能の向上を達成した.ベンチマークによるスコアは向上が見られたが，それでも依然として理想とするスコアとの間には差がある.これは，RTOSのリアルタイム性を保証するため,Linuxの全ての仮想CPUがプリエンプト不可能だった場合にはLHPの発生を許可し，RTOSの実行を優先させているからだと考えられる.