実使用環境下における集成材の耐久性 その4 未接着部を設けた集成材試験体のせh断性能

摘要

本試験の結果から、以下のことが明らかになった。1) 未接着部の材幅に対する深さ（未接着部率）が大きくなるに従い、集成材のせh断強さや曲げ強さは低下し、その低下の割合は未接着部の位置（未接着部を含む接着層に作用するせh断力の大きさ）により異なる。2) 実態調査における接着はく離の劣化等級判定を本試験に適用した場合、はく離深さによる判定が劣化等級Ⅰ～Ⅲ（材幅の25%以下）については、せh断強さの低下の割合は小さいと言える。一方、劣化等級Ⅳ、Ⅴ（材幅の25%を超える）については、はく離の位置や作用するせh断力に応じた強度低減の算定、および強度の回復を図るための適切な補修方法の検討が必要であると考えられる。