明治から大正の日本橋魚河岸日本橋川沿いの建築群の歴史的変容について その１

摘要

日本橋川の河岸に関しては、河岸の形成史や制度、川沿いのオープンスペースに着目した既往研究がある。鹿内等の研究では、土地利用・土地所有の経緯から、川と町の接点としての河岸の消滅を示し、土地所有に対応した制度がオープンスペースの持続に与える影響を論じている。しかし、視覚的に河岸の土地利用変遷を示した研究はない。本研究では、写真や絵葉書資料を基に連続立面の復元を行い、日本橋川の河岸の景観変遷を明らかにした。また、同時に社会背景を調べ、流通や都市設計の方針の変化が建築の立面にどのような影響を及ぼし、変化させてきたのかを考察した。