屋外彫刻設置空間の視覚的特徴に関する研究

摘要

まず、彫刻の認知度に関しては、宇部市の中心市街地に設置されている彫刻の認知度は、全体的に低く、あまり認知されていないということが分かった。その中でも、歩道に設置してある彫刻の認知度が高いということが分かった。次に、認知度と正解率の関係に関しては、認知度が高い彫刻程、彫刻の設置場所を正確に認知している傾向にあるということが分かった。さらに、彫刻と周辺環境との関係に関しては、比較的良い評価もされている。良い評価の割には認知度が低かったり、あまり評価が高くなくても、認知度が高い場合もある。このような状況が現実であり、彫刻がよりまちに魅力を与える要素のひとつのなり得るためには、今後の設置場所、設置空間の改善が求められると考えられる。今回は“緑”について取り上げて考察を行ったが、建物など、他の要素の考察も行い、総合的な評価をする必要があるといえる。彫刻と設置空間の関係が高く評価されれば、市民の人々への関心も高まり、認知度が上がるのではないかと考えられる。