上面を摩擦接合したコンクリート系非構造壁の制振効果に関する研究その３ 架構を想定した鋼材と壁版を接合した試験体の水平載荷実験

摘要

本報では，1000mm×1000mm×t150mm の PC 版を用いた試験体の水平載荷実験を行い，以下の知見を得た．1）今回実験を行った試験体は各サイクルでほぼ同じ滑り荷重を示し，完全剛塑性型に近い履歴曲線が得られた．2）PC-NH 試験体の実験結果より，PC 版の回転，浮き上がりに対する拘束を小さくする必要がある．3）PC-V 試験体の実験結果より，PC 版の自重も本工法に活かせる可能性があることを確認した．今後は，自重を考慮した摩擦面を利用する工法について検討する．また，PC 版自体には摩擦滑り面を設けず，版に特別な製造上の条件を与えないようにするための工法も検討する．