中国チベット高原における自然エネルギー適用住宅に関する検討その1.太陽エネルギー暖房の地域特性

摘要

既報1)では,中国チベット高原における居住環境の実態を報告した。チベット自治区の太陽放射は強く,曇りの日は少なく,日照時間6h 以上の年平均日数は275～300 日,年間日照時間2900～3400h(ラサ3100h),年間放射総量7000～8400MJ/m2 に達する。豊富な太陽エネルギーが暖房手段としての可能性を示唆している。本研究は太陽エネルギーに着目し,現地の都市と農村の居住環境エネルギー消費と住宅熱工学特性を分析し,民族文化,社会経済,気候条件等を理解した上で,地域の気候風土を反映した新型省エネ住宅を建設することを意図している。本報では,チベット高原の住宅における太陽エネルギー適用の有用性を試算した。