隣棟の影響を考慮した室内温湿度計算のための日影判定プログラムの開発その1 日影判定計算プログラムの概要

摘要

エネルギー消費量が少なく快適性の高い住宅を実現するためには太陽熱給湯や太陽光発電といった,昼光利用による電力負荷削減が必要である.我が国では,低層住宅地で住宅同士が近接している場合,隣接建物の影響は無視できない.また,近年都市部においても建築高さ制限の緩和1)の影響により,中高層建築物が多く建設されるケースが増えてきている.そのため,直達日射が室内環境に与える影響を予測することが重要である.建築の温熱環境を解析するために本研究室では,THERB for HAM を用いている.既存の計算ソフトでは隣棟による影響は考慮されておらず,隣棟が形成する日影面が正確に再現されていない点が課題である.本研究では,温熱環境評価のために必要な日照・日影面判定プログラムを開発し,建物が密集する土地において直達日射が室内に与える影響を評価する.プログラム完成後はTHERB for HAM に実装して温湿度計算を行い,より高精度な結果を得ることが可能か,実測結果と比較しながら解析を行いその影響を明らかにする。