要素の共存と連担から読み取る道空間の構成沖縄県那覇市栄町市場を事例として

摘要

沖縄県那覇市では、近年観光客が大幅に増加するとともに再開発が目立ち均質化した町が広がりつつある。しかし一方で、昔ながらの姿を残す栄町市場（注のような商店街も現存し、今でもにぎわいを見せている。この栄町市場は、建物間を縦横無尽にアーケードが広がり、その下には私物や売り物など様々なものがあふれ出している。こうした町のあり方からは、建物だけでなく、それ以外の様々な要素の共存と連担によって成り立つ都市の複雑かつ多様な空間の特徴を顕著に読み取ることができる。そこで本研究では、栄町市場（図2）を対象とし、店構えを持つ道における、道のスケール、アーケードの特徴、建物の構えと道へのあふれ出しなどの共存と連担を捉えることで、栄町市場の特徴的な道の空間（道空間）の構成を明らかにすることを目的とする。