重層構造のなかでの建設技能労働者の報酬等の実態: 専門工事業者の働き方改革関連のアンケート調査データの分析

摘要

国では所謂「新・担い手３法」が2019 年6 月に成立し、働き方改革、生産性向上等が政策テーマとなっている。旧態依然の生産構造をもつ建設業では、次世代へと続く担い手の確保を目的にした各層の改革が求められている。こうした背景のもと、一般社団法人建設産業専門団体連合会（以下、建専連）では、「週休二日制の推進、建設技能者の地位向上や適正評価、処遇向上等を実現していくための指針や方策を策定するための基礎資料を得ることを目的」として、傘下の正会員33 団体を通じ、所属企業及びその下請企業を対象に「働き方改革における週休二日制、専門工事業の適正な評価に関する調査」を2018 年秋から行い、モニタリングしている。本稿では2019 年秋に実施された2 年目の調査データN=861 件を分析し、浮かび上がる処遇実態や重層構造の一端を示すこととする。