平成28 年熊本地震における木造仮設住宅の転用実態に関する研究: 転用のための改修工事に関する考察

摘要

熊本地震により整備された応急仮設住宅（以下、仮設住宅）は、4,303 戸中 683 戸が木造で建設された。仮設住宅の基礎は従来木杭であったのに対し、熊本では木造の場合は基礎をすべて鉄筋コンクリート造で建設し、恒久的な住宅へ転用可能な仕様であった注１)。実際に熊本県では仮設住宅供与期間終了後注2)、各自治体の単独住宅注3) へと転用している。しかし、一度に多くの木造仮設住宅が恒久化された初めての事例であり、当初は仮設物として整備されたため、恒久的な利用にあたって物理的な課題が多く生じており、改修を必要としている事例がほとhどである。