立位姿勢での会話における家具・什器の効果検証 その2：会話する二者間に介在するテーブルが自己接触行動に与える影響

摘要

以上の結果と考察から、次の点を指摘しておきたい。第一に、オフィス内の立位会話が発生する空間において、家具・什器が介在することで、PS の侵害度を低め、不安のないリラックスした雰囲気で会話がしやすくなる可能性がある。こうした知見は、より的確な空間デザインのコンセプト立案、配置計画につながると考えられる。第二に、家具・什器を導入する際、その高さが重要となる可能性である。テーブルはPS の侵害可能性を低減させる一方で、天板高さによっては会話に必要な操作領域を阻害することも示唆された。立位姿勢における家具・什器の効果検証として、天板接触行動の効果やそれを考慮した適切な天板高さ、二者の立ち位置による影響などが今後の課題である。