アングル材の亀裂の応力拡大係数の近似式

摘要

アングル材はせh断梁のコード(Chord)や補強パネルの補強材として航空機構造によく用いられる構造部材である.これらの構造要素は軸力を受け持つので強度計算において損傷許容性解析が必要である.損傷許容性解析には応力拡大係数の計算が必須であるが，アングル材の応力拡大係数の近似式は発表されていない.有限要素法を使えばどhな形状の部材の亀裂の応力拡大係数も計算することができる.しかし，計算の手間がかかるので，現状ではアングルを帯板とみなした簡易計算を行うことが多いが，その精度は不明である.航空機設計の現場では精度のよい近似式が必要であるため，近似式を設定した.この近似式を使えば，応力拡大係数の近似計算法である相似法やコンパウンディング法と組み合わせて，アングル材の孔から発生した亀裂の応力拡大係数を計算することができる.