スキップフロアをもつ現代住宅作品の空間的連続性

摘要

床を半層ずらして積層させる、スキップフロアという空間形式は、内部空間に視覚的、動線的な連続性をもたらすことが特徴の1つとして挙げられ、建築の規模や用途を問わず、これまで多くの建築家によって試みられてきた。特に狭小積層化の著しい、近年の都市部の住宅においては、スキップフロアが空間に連続性を与える有効な形式として用いられている。このような住宅では、スキップフロアの連続性に変化を与える操作や、外部へも連続させる表現などが多くみられ、住宅を多様な性格をもった場所にしている。そこで本研究では、スキップフロアをもつ住宅作品を連続性をもたらす重要な形式として位置づけ、それらの空間的性格を検討することで空間の連続性に対する建築家の意匠表現の一端を明らかにすることを目的とする。