死者低減率最大化を主目標とした耐震化戦略の提案

摘要

2006年、国土交通省により住宅·特定建築物の耐震化の目標9割が打ち出され（改正耐震改修促進法）、各地方行政により10年以内のその目標値実現にむけた計画策定が急がれている，10年という段階的実現期間が設定されてはいるが、近年の本邦周辺に見る地震活動活発化に配慮するなら、短期間でより実効性の高い耐震化戦略が望まれる。しかし促進法には戦略の実現優先手順については何も触れていない。本論は死者の低減を主目標におき、住宅の耐震化戦略等による予測死者数の時間変動を評価することにより、有効な耐震化戦略を議論する。