二個体間に形成される心理的領域に関する基礎実験: 個体領域の確保を考慮した室空間の規模計画手法に関する研究　その2

摘要

本実験により、P.S.が完全に雕れているにも関わらず、新入室者が既入室者のP.S.を侵害すると感じる領域が生じることが確かめられた。このときの個体間の距離はP.S.のみの物理的な合算で考えた場合と比較して、Aパターン(横並び)でおよそ1.3倍、Bバタ一ン(対向)で1.5倍、Cパターン(相反)で1.2倍であり、心理的に領域が分離するには、物理的な合算の場合より、多く距離をとる必要があることが分かった。本実験では、グリッド上での評価、全員が他人同士という設定、無限定空間などの諸条件を前提としたものであり、上の結果がすべての人間集合に適用できるかどうかは、さらに検討を要するが、今後室空間の規模計面で活用しうる基礎的な参考資料の一つが得られたと考えている。