住宅室内空間に対する個人の図式と評価の関係その2　図式と評価の関係及び評価項目間の関係について

摘要

本報では、住宅室内空間に対する図式と評価の関係及び評価項目間の関係について、想定したモデルを用いて考察した。「落ち着き」評価と「好き」評価では強い関連がみられたものの、両評価の観点が必ずしも一致しないことが明らかになつた。また、個人の図式と心理的距離の近い空間に「落ち着き」を感じる傾向にあり、なかでも、図式の機能的側面との関わりが強いことが明らかになった。本研究における図式とは、固定的なものではなく、個人の新しい経験や知識の獲得などによって常に更新されるものと考える。本研究をさらに発展させ、時間経過における図式及び本研究で設定した図式の各側面の修正・構築過程などを明らかにすることにより、図式に基づく環境評価のモデルの詳細を示すことができると考えられる。