建築分野における太陽光発電導入と普及に関する基礎研究　その2: 設備設計と融合した建築設計手法に関する課題

摘要

前報では、全体的な課題を概観したが、本報ではその中でも重要な位置を占めるPV設備と融合した設計手法に関する課題に焦点を当てる。建材一体型太陽光発電(Building Integrated Photovoltaic=BIPV)の研究開発、および実施例は10数年前から行われており、筆者は10年程前からBIPV建築を実際に設計し完成させて来た。BIPVはこれまでのような建築系のみの外装設計では実現できず、設備系との調整など新たな課題が発生している。一方で外装設計におけるこうした設備との調整は、サステナブル建築におけるPV以外の他の手法を用いた場合にも起きうる共通の課題と言える。そこで本稿では、BIPVを採用した建物において、設計時の各種問題点を把握・分析し、その解決手法を提案する事を目的とする。