人口減少社会における地域住宅政策の課題: 計画開発住宅地における人口特性をもとに

摘要

2006年、わが国の住宅政策は大きな転換点を迎えた。「量の確保」「質の向上」から、1990年代半ばの「市場重視·ストック重視」へ、さらに今回の住生活基本法により、「住生活の安定と向上」へと住宅政策の目標が変化し、「住生活」の概念の拡大に伴い、居住環境の形成や居住サービスも主要な施策対象となった。このため、各地域が主体となり、様々な政策領域、主体との連携のもと、諸施策を推進すべきことが法に示され（法第4条）、より一層、地域特性や需要に適合したボトムアップ型の地域住宅政策の展開が求められるようになつている。その背景には、人口减少や少子高齢化の進展と、地域ごとの課題の多様化がある。そこで、本稿では、大都市郊外の二ュータウン（計画開発住宅地）を例とし、人口減少の実態をもとに、「都市を維持していく」ために必要な地域住宅政策のあり方について検討課題の提起を行う。