長時間加力を受ける粘弾性ダンバー付き木造制振壁の復元力特性に関する実験的研究その2 粘弾性ダンパーの温度上昇の試算

摘要

粘弾性ダンパー付き制振壁の制振効果が長時間作用する風外力に対して有効であれば，木造住宅の耐風性能を評価する上で問題となる柱梁接合部の「ガタ」を低減し，さらに建物の長寿命化も期待される。粘弾性ダンパーの耐風性能を評価するためには，長時間振動し続けることで上昇する粘弾性体の温度を精度良く予測する必要がある。笠井等は，汎用3次元有限要素解析プログラムを利用して非定常の熱伝導解析と静的弾性解析を組み合わせた粘弾性ダンパーの高精度な評価手法とその結果に基づく定常解析手法，さらに継続時間の長い外乱におけるダンパーの時刻歴解析手法を提案している。