地区の変容過程に着目した都市基盤の機能•役割と空間特性(札幌都心以東地区)グリッド都市の空間形成ガイドラインの研究 その8

摘要

成熟社会へ移行し、都市計画の役割や都市空間への対応は拡大から、再編へと目標像が変化している。都市再編を見据えた計画論は、全国一律の都市基盤整備という方法ではなく、今まで都市を形成してきた都市基盤と都市機能の関係性を捉え直すことで、都市形成の骨格となってきた要素を新たに位置づけ直した再編計画を立案していくことが必要である。そこで本論は，札幌都心以東地区の特徴を示すと思われる4街区を事例とし、①各時期における、地区に対してとられてきた計画の方針(以下計画意志)と都市基盤•都市機能の変容過程を整理し、②それらの役割の変化を捉え，②当地区の空間(都市基盤と都市機能の複合的な組み合わせ)の特性を明らかにすることを目的とする。