地域型美術館にみる、周辺環境と導入空間に関する研究: 第一種住居専用地域に立地する美術館の事例分析を通して

摘要

近年、社会変化に伴い美術館という制度自体が摇らいでいる。それは、展示されるものである「美術」と、それらを展示するための空間の関係が複雑化しているためである。しかし、美術館の数は増加を続けており、現在もなお数多くの美術館が全国各地に開館している。これまでも美術館という一つのビルディングタイプに対して、数多くの研究や言説はなされてきた。しかし、その対象の多くは、社会的注目度の高いものである。本研究は、美術館について、これまであまり論じられることのなかった。周辺地域と美術館の関係性から捉え直すものである。これにより、美術館についてこれまでの見方とは異なる可能性を見いだすことを目的としている。