土塗リ小壁を持つ木造軸組の耐震性能評価に関する実験的研究: 柱間距離をパラメータとした静的実験

摘要

本報では，土塗り小壁を持つ木造軸組の柱間距離をパラメータとした静的繰り返し載荷実験を行った. 柱間距離を長くとることにより耐力は上昇したが変形性能では顕著な差は見られなかった.半間幅試験体では1/11.6rad,一間幅試験体では1/7radまで載荷を行ったが柱の曲げ破壊は起こらず，小壁の圧壊により実験終了した.一方，二間幅および一間幅二連試験体では，1/15rad付近で鴨居柱側面に曲げ破壊が起こった.これは，柱間距離を長くとることにより土壁のせh断耐力が増したしたため，耐力および剛性が上昇し柱に曲げ破壊を生じさせたものだと考えられる.