住宅団地における障害福祉サービス供給の経緯と空間ストックの利用: 住宅生活協同組合が建設供給した神戸市「北須磨団地」の事例研究 その2

摘要

施設①②③への反対から歓迎?激励への転換，そしてイ ベントの開催という一連の経験は居住者にとって障害者 施設との関係性を構築する過程であったと言える。しか し，それらは非日常的な関係性に過ぎず，生活圏内での施 設④の開設には自治会の調整役としての機能が求められ た。施設⑤においても自治会による活動の場の提供を契機 に居住者個人による日常的な支援まで展開した。このよう な自治会の支援体制の背景には，施設利用者に団地居住者 が含まれたことで，施設利用者の課題を地域の課題として 捉えることができた側面が指摘できる。