傾斜角度を考慮した5 角形ガセットプレートにおける降伏引張耐力評価

摘要

高力ボルトによる板要素の接合部では，板要素自体の耐力は ボルト孔による欠損の影響を考慮すると同時に，応力方向の局 所的なちぎれ破断を考慮している．ガセットプレート(以下， G.PL)のような接合部の耐力評価において，母材の有効断面に おける破断による場合，降伏引張耐力（以下，jNy）および最大 引張耐力（以下，jNu）は文献※）では，ボルトゲージ線上の先端 のボルト孔から両端へ30 度開いた線と，最終位置のボルト孔 の中心を通るボルトゲージ線に対する垂線との交点間の有効 断面積を用いた評価式が用いられている．しかし，これはG.PL のボルト孔のピッチのみしか耐力に考慮されておらず，形状の 異なるピッチ間の同じG.PL において評価式の耐力は同じであ り，評価式の妥当性に疑問が生じる．そこで，傾斜角度（以下 θ2 およびθ3）の大きいG.PL において，jNy の妥当性について 検討することを目的とする．