景観計画推進区域における景観協定策定に関する研究:その１沿道建物?工作物の景観形成ガイドラインへの適合状況

摘要

景観法の施行後，多くの地方自治体で景観計画の策定が進められているが，その実現手段として重要な，景観計画区域の設定とその景観形成基準の精緻さは，これまでの各自治体の景観行政に対する取り組み状況や景観形成に対する住民の熟度が大きく影響していると考えられる。景観計画区域については，特に良好な景観形成の必要な区域として比較的規制の強い景観形成基準を持つ景観重点区域や眺望景観保全区域を設定している自治体だけなく，行政区域全域を１つの景観計画区域とし，最低限の景観形成基準としている自治体も多くみられる一方，住民主体の景観づくりの支援区域として景観計画推進区域を設定している自治体も若干みられる（図１）。