環境問題を抱える公共空間におけるベトナム人の空間利用の実態:ハノイ市トー?リック川及びタム?ダ?マーケットを対象として

摘要

１９８6年のドイモイ政策後の社会経済発展に伴い、戦後の日本のように、ベトナム人のライフスタイルは今、大きく変わりつつある。それと同時に公共空間における様々な都市環境問題が深刻化している。その背景には、人々の環境意識と急速な社会の近代化との時差があると考えられる文献１）。また不法開発に関する制度上の問題文献２）や、“全ての土地が国有地であり人民に与えられているのは使用権のみである”という社会主義国家ならではの土地に対する公私認識も、公共空間の利用実態に影響を与えているのではないか。