複数開口を有するRC造耐震壁の構造性能に関する研究その７．せh断スパン比の異なる有開口耐震壁の静的載荷実験

摘要

筆者らは、RC造連層有開口耐震壁の性能評価法の構築を目的として、複数開口を有する耐震壁について構造実験を継続的に行い、開口数および開口の配置が耐震壁の破壊モードに大きな影響を及ぼすことを明らかにした1）。しかしながら、これらの実験は全てせh断破壊先行型となる耐震壁を対象としたものであり、曲げ降伏先行型となる複数開口耐震壁については実験例が少なく、未だ不明瞭な点が多い。そこで本研究では、破壊モードが曲げ降伏型となる無開口耐震壁に対して開口位置を実験変数とした複数開口耐震壁の静的載荷実験を実施した。本報では、せh断スパン比を1.8と一定にして、開口位置が当該耐震壁の構造性能に及ぼす影響を検討するとともに、同一形状でせh断スパン比のみが1.2と異なる2009年度実験の結果と比較し、せh断スパン比の影響を検討した。