市町村合併に伴う関東圏の自治体庁舎機能と運営の変化について

摘要

我が国の公共施設は高度経済成長期を中心に建設?整備され、現在、築後30年以上経過した施設が全国に存在する。それらの多くは施設?設備の物理的劣化や耐震性の不備が懸念されており、また今日の社会的ニーズに対応する機能性?安全性?快適性?保全性確保の視点から、大規模修繕?建替えが求められている文１?文２）。平成11年には合併特例法が改正され、平成11年に全国3232あった市町村数は平成22年には1727に再編され（図?1）、市町村合併に伴う庁舎の再編整備の在り方が課題となっている。市町村合併後の庁舎の利用状況や用途転用の実態については幾つか報告文３?５）があるが、庁舎の具体的な建築計画指針を提言するには至っておらず、関連研究の継続的な蓄積が必要と思われる。