町並み景観デザインツールの拡張:集合的活動としての町並み景観形成のための場のデザインに関する研究（その2）

摘要

集合的活動としての町並み景観の形成には多主体が関る対話的な「媒介的道具」が求められる。魅力的な町並みを形成するための様々な地域資源を多主体が対話的に確認?発掘?創造するための基礎的ツールとして地理情報システム（GIS）を用いた「景観資源データベース」、地理情報である景観資源データベースに時間的情報とより詳細な背景を補完する「建築計画?プロジェクトデータベース」、町並みの現実を補完する、町並みを映像としてそのままスキャンする「全方位カメラによる景観の記録」、以上の景観資源に関する対話ツールを土台として、実際に町並みをデザインしていくためのGoogle Sketch Upを用いた「3DCGモデル」、そして町並み景観形成に関する活動全体を地域やより広く人々と共有するための「情報共有の仕組みの構築」、が集合的活動としての町並み景観形成における「媒介的道具」として本研究において実践的にデザインし、拡張したものである。これらのツールは（その３）で述べる町並みデザインのワークショップで用いられ、有効に機能した。上に述べた町並み景観デザインの「媒介的道具」の体系的構成と、実践の記述が合わせて「媒介的道具」項の方法論となる。以下にそれぞれの詳細について述べる。